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歯みがきでインフルエンザ予防

歯みがきでインフルエンザ・コロナ予防

歯磨きでインフルエンザ予防  

●口の中の細菌はインフルエンザウイルスのサポーター
インフルエンザウイルスは大腸菌やブドウ球菌の1/10、僅か1/10000mmの大きさです。標的となる細胞にくっつき、侵入します。細胞に入り込んだインフルエンザウイルスは、細胞のエネルギーやタンパク質を作る働きを利用して仲間を増やしていきます。また、その過程で細胞を破壊します。
インフルエンザウイルスは、鼻から喉(のど)にかけての粘膜の細胞にくっつき、侵入します。ただし、粘膜はタンパク質で覆われているため、インフルエンザウイルスはなかなかくっつくことはできません。
口の中の細菌はプロテアーゼ、ノイラミニダーゼという酵素をつくります。プロテアーゼ、ノイラミニダーゼは粘膜を覆っているタンパク質を破壊して、インフルエンザウイルスが細胞にくっつき、侵入するのを手助けします。また、細菌が出す毒素(内毒素)は炎症をおこし、感染を拡大させます。
口の中が汚れて細菌が繁殖すると、インフルエンザウイルスにとって格好の環境となります。
 口の細菌が手助け
●歯磨きでインフルエンザ予防
2009年に発生した新型インフルエンザは大きな猛威を振るいました。そのような中、歯磨きでインフルエンザ予防ができることが、テレビ番組など多くのマスメディアで度々報道され、話題となりました。
一例として、2009年から2010年のインフルエンザ流行時に、杉並区の区立小学校で洗面台を増設、歯磨きを促進する運動をおこなったところ、インフルエンザによる学級閉鎖は半分近くまで減少したとことです。
【地域保健研究会口腔ケアによる気道感染予防研究委員会】の研究成果より
詳しく知りたい方は以下のサイトをご覧下さい。
https://blog.goo.ne.jp/mosura693/e/0f31bf4447d1a5e45e6a9d78dda30d5f

毎日新聞の記事にも関連した物がありましたので紹介します。

<インフル退治>まず歯磨きから 口内細菌、薬効きにくく  

毎日新聞 2月15日(日)8時0分配信
画像の説明

 口の中が不潔だとタミフルなどのインフルエンザ治療薬が効きにくくなる可能性があることが分かり、落合邦康・日本大教授=口腔(こうくう)細菌学=らの研究チームが近く、高齢者を対象に検証のための疫学調査を始める。歯磨きの徹底など日常生活の注意で、インフルエンザを予防したり、重症化を防いだりできる可能性があるという。

 インフルエンザウイルスは、細胞内に入り込んで増殖し、他の細胞に感染を広げる際、ウイルス表面の酵素「ノイラミニダーゼ(NA)」を使って、自身を細胞表面から切り離す。タミフルやリレンザなどはNAの働きを妨げることでウイルスの感染拡大を防ぐ。

 チームのこれまでの研究で、歯垢(しこう)に含まれる2種類の細菌がNAを作り出し、ウイルスの増殖を助けることが分かった。インフルエンザウイルスに感染させた細胞に細菌の培養液を加えると、細胞からのウイルスの放出量が21〜28倍に増え、リレンザやタミフルを投与してもウイルスの放出量は抑えられなかった。

 インフルエンザウイルスはのどや鼻の奥で感染、増殖する。落合教授は「感染部位が口と近いことを考えると、口の中の細菌が感染の進行に関与していることは十分に考えられる」と話す。チームは今季のインフルエンザ流行中に、協力病院や介護施設の高齢者から口の中の細菌を採取し、口腔ケアとインフルエンザ感染の関係を調査する。口内細菌は近年、糖尿病の悪化や誤嚥(ごえん)性肺炎の要因になっていることが指摘されるなど、他の病気との関係が注目されている。【藤野基文】

「そんな研究はやめてください}口腔細菌はインフルエンザを重症化する  

厚労省では給食後の歯みがきを推奨しているのにも係わらず、練馬区立の幼稚園では0、小・中学校ではわずかな学校でしか給食後の歯みがきが行われていません。
何故しないのかと養護の先生方に聞いてみると、時間が無いからとか子どもたちは遊びたいからとか、歯ブラシの保管をどうしたら良いか判らないからだとか色々理由を挙げて、給食後の歯みがきの実施なんて無理と答えてきます。聞けば学校の先生方でさえ昼食後に歯みがきをしてない方が多いそうで、歯科医師、歯科衛生士の啓蒙不足の所為かと肩を落としてしまいました。

又一方平成26年度小学生の延欠席者数は練馬区が東京都内で一番人数が多く、虐めや虐待による不登校もあるかと思いますが、一番の原因はインフルエンザやノロウィルスの感染で欠席したと考えられます。
インフルエンザの予防というと手洗いや嗽をすぐ思いつきますが、それだけでは不十分です。インフルエンザの予防の注射を毎年してるけど又インフルエンザに罹ってしまったという方を何人か知っていますが、そういう方は口腔内の状態が良くない方ばかりという印象を持っています。

インフルエンザを予防したり重症化するのを防ぐには歯みがきがとても有効です。
歯みがきでインフルエンザを防げるとお話ししても、頑なにエビデンスが無いからと聞く耳を持たない方々が居ますがエビデンスなら有ります。日本歯科医師会雑誌2015年2月号に日本大学歯学部細菌学教授落合邦康先生が書かれた「そんな研究はやめてください・・・」〜口腔細菌はインフルエンザを重症化する〜でエビデンスを発表していらっしゃいます。

練馬区立の児童・生徒のインフルエンザ予防の為にも、給食後の歯みがきは非常に重要です。

口腔ケア「コロナ予防に有効」 山梨県が歯科受診者1万人を検証  

令和5年2/11(土) 15:00配信
毎日新聞

 山梨県は9日、歯科健診の受診者は新型コロナウイルスの感染率が県民全体の感染率より低かったとする検証結果を発表した。健診に基づく歯周病治療や歯磨きの指導など適切な口腔(こうくう)衛生の管理は感染リスクの低減に一定の効果があるとして、県は日ごろの口腔管理を呼びかけるとともに今後、口腔衛生の啓発や相談事業などを実施する。

 県によると、一般的に、適切な口腔管理はウイルス性の感染症予防に一定の効果があるとされる。コロナ感染と口腔管理の因果関係を探るため、県は2022年4月20日〜6月20日に診療費を県が負担する臨時歯科健診を実施。県内約400カ所の歯科医院などから18歳以上の受診者全員(計1万273人)について、受診者名や年齢などの報告を受けた。

 その結果、報告期間中(6月26日〜9月25日)に判明した全県民のうちの感染者は6万970人で感染率が7・5%だったのに対し、受診者の感染者は534人で感染率は5・2%にとどまった。

 また、県は20年夏から秋にかけても同様の臨時歯科健診事業を実施しており、今回と合わせて2回の健診を受けた受診者(計1487人)の感染率はさらに低い4・5%で、今回の受診者の感染率より0・7ポイント低かった。

 県によると、インフルエンザについて、歯周病菌が出す酵素にウイルスが体内組織に侵入しやすくする作用があるとして、口腔管理で発生リスクが10分の1に抑えられたとの知見が日本歯科医師会誌(06年)に発表されたことを受け、新型コロナでの感染防止効果の有無について検証した。
【山本悟】

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